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カーシェアリングの「乗り捨て」は日本では法律的に不可だったのですが、規制緩和で2014には乗り捨てが出来るようになりました。
でも、乗り捨てプランのあるカーシェアリングって聞いたことがありませんよね?
乗り捨て出来れば、シェアサイクルの車版のようでとても便利そうではないですか?
今回はカーシェアリングの乗り捨てについて調査してみました。
タイムズやカレコなど大手カーシェアで乗り捨ては出来るのか?
手軽に予約して格安で短時間から利用できるのがカーシェアのメリットです。
さらに、レンタカーのように目的地で乗り捨てが出来たら最強なのですが実際はどうなのでしょうか?
大手カーシェアを調べてみました。
タイムズカープラス
タイムズのカーシェアリングタイムズカープラスでは以下のような回答でした。
乗り捨てはできません。ご出発いただきましたステーションへ返却をいただきますようお願いいたします。
※関西国際空港~大阪国際空港間では、乗り捨てが行えるステーションがございます。
タイムズカープラス公式サイトより引用
タイムズでは以前「チョイモビ」というサービス名で乗り捨てが可能なサービスを行っていましたが、現在はサービスを終了して、大阪国際空港間(伊丹空港)と関西国際空港の区間のみで乗り捨てを行っています。
両空港のどちらからでも出発→乗り捨てができますが、予約時に乗り捨てを指定することが必要で、料金も通常の利用料金とは別に、乗り捨て料金として3,240円(税込)が掛かります。
関西国際空港~大阪国際空港間ではリムジンバスの片道料金が1,950円ですのでベーシッククラス90分と乗り捨て料金の合計費用4,476円はかなりの割高ですね。
メリットがあるのは大阪にどうしても寄りたい場所があるときくらいしか思いつきません。
タクシーに比べたら安いのでしょうが、微妙ですね。
乗り捨てはこの区間のみのサービスとなりますので、「乗り捨てサービスがある」とは言い切れませんね。
※チョイモビはその後、乗り捨ては不可(元のステーションに戻す)になり横浜市内限定で利用されています。
カレコ・カーシェアリングクラブ
カレコの乗り捨てについての回答は
(乗り捨ては)できません。会員の皆様でシェアしていただいておりますので、借りたステーションへ返却していただく必要があります。
カレコ・カーシェアリングクラブ公式サイトより引用
毎月の会費が0円の月会費無料プランや平日利用が格安の平日プランなど多彩なサービスで人気を集めているカレコカーシェアリングクラブも残念ながら乗り捨てが出来るプランはありません。
近頃会員数を順調に増やしていますので乗り捨てが出来れば更に爆発的に会員が増えると思うのですが、出来ない理由があるのでしょうね。
カレコ・カーシェアリングの会員入会申し込みをスマホでやってみた
オリックスカーシェア
オリックスカーシェアも「良くあるご質問」に回答がありました。
オリックスカーシェア公式サイトより引用
じつはオリックスカーシェアでは規制緩和でカーシェアリングの乗り捨てが出来るようになった2014年9月よりメルセデス・ベンツ日本株式会社とアマノ株式会社との3社で業務提携により「smaco(スマコ)」というサービス名で乗り捨て可能なカーシェアリングサービスを横浜市内で始めましたが、2015年9月にはサービスを終了しています。
ドコモ dカーシェア
ドコモのカーシェアリングdカーシェアはオリックスカーシェアと提携したカーシェアリングですので、上記のオリックスカーシェアの回答の通り乗り捨ては出来ません。
またdカーシェアでは近頃カレコカーシェアリングとカリテコカーシェアリングとも提携を追加しました。
しかし、カレコ・カーシェアリングも上記の通り乗り捨てサービスはありません。
そして、名古屋・愛知・岐阜・三重に拠点のあるカリテコも残念ながら乗り捨てが出来るサービスは現在ありません。
つまりdカーシェアも乗り捨てが出来るサービス・プランは無いということですね。残念です。
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乗り捨てサービスを終了してしまった理由
カーシェアリングで車を借りる場所と返す場所が異なることを「ワンウェイ方式」といいます。
しかし日本のカーシェアリングの多くは借りた場所に返すタイプになっています。
同じ場所に返すのは「ラウンドトリップ方式」と呼ばれています。
利用する側からすれば、都合の良い場所で車を返却できるワンウェイ方式が圧倒的に便利です。
上記の通りタイムズカープラスも、オリックスカーシェアも2014年にカーシェアリングの乗り捨てがOKとなると試験的にサービスを開始したのですが、両社ともに1年ほどでワンウェイ方式(乗り捨て)のサービスを終了しています。
その理由は簡単にいえば、「とてもコストが掛かる」からです。
そのコストの内容は
乗り捨て用の駐車場がたくさん必要になる
元の駐車場に車を返却するラウンドトリップ方式なら駐車場の数は車両の数と同じだけあれば足ります。
しかし、ワンウェイ方式(乗り捨て)だと、乗り捨て用の駐車場も確保しなければなりません。
車両よりも多くの数の駐車場を確保するには追加の駐車場費用がかかるということになります。
カーシェアリングの拠点であるステーションの多くは都市部や観光地などに集中していますので駐車場の維持費用は非常に高額になります。
乗り捨てた車の移動コストが掛かる
次に掛かるコストが車の移動にかかるものです。
ワンウェイ方式(乗り捨て)方式では車両が偏りがちになり、車の移動が必要になります。
ステーションA→ステーションBが人気の地域ではAに車を戻して稼働率を上げなければなりません。
そのためには車両を戻す人件費や車両とシステムの開発も必要になります。
カーシェアリングの乗り捨てが日本で普及しない理由
ワンウェイ方式(乗り捨て)方式のカーシェアリングが日本で普及しない理由には日本ならではの事情があります。
海外でも元の駐車場に車を返却するラウンドトリップ方式がありますが、近頃はワンウェイ方式(乗り捨て)方式が注目されて増えている国がいくつもあるようなんです。
それらの国はアメリカとヨーロッパの国に見られるのですが、皆一様に共通点があります。
その共通点は「路上駐車が認められている国」であることです。
または、条例などで路上駐車型のカーシェアリングが認められている自治体の区域内などです。
路上駐車が許可される場所が少ない日本ではこのような方法でのカーシェアリングは不可能で、乗り捨て用の駐車場所は上記のようにコストをかけて確保しなければなりません。
駐車場を確保するのが高額で無料で路上駐車も出来ない日本ではワンウェイ方式(乗り捨て)方式のカーシェアリングは経営的に厳しいのでしょうね。
まとめ
今回はカーシェアリングの乗り捨てについて説明させていただきました。
残念ながら低価格で利用出来るカーシェアリングを日本ではどうしてもコストの掛かる乗り捨方式で利用するのは難しいようですね。
乗り捨て利用では若干高くはなりますが、レンタカーか公共の交通機関をすることになります。
- ステーションに戻る利用→カーシェアリング
- 乗り捨て利用→レンタカー
という使い分けになりますね。
最後までお読みいただきありがとうございます。